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”Mustache君”と"トラ君"の「日記」&”あごひげ君"の「登山とロードバイク」のブログ

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■世の中で自分の役割とは■





「かわら版NO.1049 いい加減な観察者」020717より抜粋
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本年1 月の第969 号と973 号で、草野さんの「いい加減な観察者のアマガエル
編」を紹介しましたが、人間模様との比較による興味深い内容でした。
 先日、「100 匹のアリと魔法使いのアマガエル」というタイトルで、文芸社か
ら出版されました。出版の動機は、車椅子の少女、青香ちゃんと出会い、わずか
ばかりの印税だが、それらを全て、精神障害者や身体障害者に本と言う形で、
寄付しようと思ったからだそうです。一つぐらい、「人生のおみやげ」を、作っ
てもいいんじゃないか、お金も大切だが、お金で買えない物の方が、嬉しい時も
あるというご意見です。
 今回のいい加減な観察者の青虫編は、主人公は、青虫の虹夢ちゃんで美しい蝶
になる前に、いろいろ冒険して行く物語だそうです。      京増弘志
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    「いい加減な観察者(青虫編)」

 虹夢は、カブトムシの家族を見て、優しさとは何なのか、少し解かって来たの
でした。

 テントウ虫のおじさんと虹夢は、深い森を後にし草原へと向かったのです。
すると、何やら虹夢のお尻を、何かが突いているのです。虹夢は、気になり振り
替えると、小さなミツバチが、怒って居たのでした。

 「オイ、ここはおいらの草原なんだ。あいさつも無しに、勝手に入って、お前
は、悪い奴だな。」

 思わず、テントウ虫のおじさんが、ミツバチに謝ったのです。「ごめん、ごめ
ん。君のご馳走がいっぱいある草原に入ってごめんよ。そう怒らずに、虹夢を紹
介するよ。ミツバチ君。虹夢の友達になってくれないか。」

 「ヘーン、嫌なこった。おいらは、一人ぼっちの方が清々するし、第一友達な
んか、信用しないんだ。いざヘビにでも、襲われそうになったら、みんなおいら
を置いて、逃げちまったからよ。」

 「おいらもヘビに食べられる寸前に、やっとの思いで逃げて来たんだ。いざと
なったら、みんな口先だけの友情で、信用出来ねーんだよ。特に、愛なんて気安
く使う奴ほど、嫌いなんだ。虹夢も、愛や友情なんか信用するんじゃ、ねーよ」

 そう言うとミツバチの子供は、遠くへ跳んで行ってしまったのです。
「ねー、テントウ虫。ミツバチが言う様に、虹夢も誰かを愛したら裏切られるの」

 すると、テントウ虫が、話始めたのです。
「虹夢、ミツバチはまだ子供で、愛を知らないんだよ。ミツバチも、心の中では
誰かに愛されたいと思っているんだ。そして、自分の話を聞いて貰いたいくて、
仕方がないんだよ。」

 「虹夢には、ちょっと難しいけど、自分を愛して自分の中の霊性を見れる人が、
人を愛せる人なのかな。たとえば、さっきのミツバチの様に愛想の無い人が居た
としよう。その人の表面だけを見ていたら、何て意地悪で、素っ気無い人なんだ
ろうと、思ってしまうよね。」

 「うん」

 「でもね、その人の中に潜む霊性を見て行くと、”この人は、自分に素っ気無
い態度を見せる事で、自分にいろいろ気付きを与えている。”と、思えるんだよ。
つまり、その人の言葉や態度が、自分にいろいろ教えてくれたりするんだよ。」

 「虹夢だって、ミツバチが”愛なんか信じない。”なんて、言って行くから、
気になって落ち着かなくなったよね。でもミツバチが虹夢に、愛を考えるきっか
けを作ってくれたとしたら、ミツバチが取った行動にも、感謝が出来るんだよ。」

 「ミツバチ君、何か可愛そうになってきちゃった。」

 「虹夢。今度は、人に愛されない人って、どんな人だと思う。」

 「分かんない。」

 「人に愛されない人って、”自分の人生を自分のものだと思っている人で、
自分を愛せない人”を、言うのかも知れないね。そして、自分の霊性に気付いて
いない人かな。」

 「自分が選んだ人生が正しいと思って進んでいても、もっと自分を動かす大き
な流れがつかめてないから、自分の人生に戸惑ってしまうんだよ。」

 「んー、そうなんだ。」

 「たとえば人間社会だと、自分が選んだ就職先が一番だと思って、いざ働いて
見ると、自分のイメージと違って、終いには”こんな会社辞めてやる。”なんて
事に、なったりするんだよ。

 それは、自分が本当にやりたい仕事じゃー無く、”カッコ良さそうだから”と
か、”一流企業だから”とか、そんな所から選んでいるからなんだよ。」

 「人は欲を出したり、我を通そうとしたりすると、本当に自分が世に出た役割
りが、見えて来ないんだ。人は、誰でも役割りを持って生まれて来ているから、
その役割りに気付く事が大切なんだよ。」

 「そーかー。」

 「その情報が、自分の読んでる本からだったり、映画やテレビだったりするん
だよ。そして、人の話から気付く事もあるだろうし、自分の中から芽生えて来る
事もあるんだ。どこかで、本当に喜ぶ自分に気付いた時に、初めて自分のやるべ
き事が見えて来るのかも知れないね。」

 「ところで、虹夢。人の話を聞けない人って、どんな人だと思う。」

 「えー、どんな人なんだろう。テントウ虫教えて・・・。」

 「それはね。”自分の事が精一杯で、物事に否定的な人”が、話を聞けない人
だと思うんだ。そして、自分の事を言いたくて仕方がなく、自分は特別なんだと
言いたい人が、どうやら、人の話が聞けないんだよ。」

 「さっきのミツバチじゃーないけど、自分の事ばかり言いたくて、しょうがな
く、なってしまうんだ。そう言う人は、人一倍誰かに認められたいと思って、
いるのかも知れないね。逆な見かたをしたら、一人前になる準備をしているんだ
と思うよ。」

 「ん~ん。」

 「結局、人の話を聞けない人は、自分が興味を持たない人の話は、聞こうとは
しないんだよ。でもね。自分が興味を持たない人の話こそ、自分を成長させる話
が、たくさん有ったりするんだ。」

 「逆に、自分が興味を持って聞く話には、”いずれ自分に、何らかの利益があ
るのではないか。”と、思って聞いてしまうんだよ。」

 「ねー、テントウ虫。それじゃ人の話を聞ける人って、どんな人なの。」

 「それは、自分の心に余裕がある人かな。人の言葉が、自分に対するメッセイ
ジと思えば、人の話は聞ける様になるんだよ。
どんな話でも、自分に対する事として話を聞ければ、その言葉が自分の中に入り、
人の話が面白くなってくるんだ。」

 虹夢も、心に余裕を持って、ミツバチの話を聞ける様になるといいね。今度、
ミツバチに会ったら、少し優しくなれるかな。    続く





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